一人ひとりに合わせた治療
治療前の分析と診断

当院では、頭部X線規格写真(セファログラム)を用いた診断を行っています。これは規格化されたレントゲン写真を用いて顎や歯列の角度、距離などを数値化することでその症例の特徴を掴むものです。
規格化されていますので、数値化してさまざまな比較ができます。
例えば、日本人の平均値や過去の似たような症例と、あるいは期間を空けて再度撮影すれば、患者さん自身の過去の状態と現在を比較することが可能です。この数字をいかに活用するか、あるいは取捨選択していくかが矯正を専門とする歯科医師の知識と技術によってくる点と考えられます。
また、治療計画立案の際の、例えば前歯をどの程度引っ込める、あるいは引っ込めないなどを決める基準、数値の計算にも活用します。
オーダーメイドの治療計画
治療計画は既存のやり方に当てはめるのではなく、患者さんにとって最適な計画を一から立案していくことをコンセプトにしています。
通常、矯正治療の多くは最初に検査を行い、治療計画を立案します。症例によって差はありますが、当院では最初に検査を行った後、3〜4週間ほどお時間をいただいて治療計画を立てます。これは、患者さん個々の状態や条件によって、「いかなる治療方法を用意できるか、適応させられるか」が大きく違ってくるからです。
当院では、大事なのは検査を行うだけなく、専門的な知識と知見を用いて検査データを活用することであり、そこまでやって初めて患者さん一人ひとりに最適な治療方法を見出せると考えています。
装置も一人ひとりに合わせて作成、調整
成人の方の場合、マルチブラケットを用いて一人ひとりの状態に合わせて毎度調整を加えて歯列を仕上げていきます。調整を重ねていくことで治療を作り上げていくようなイメージです。マウスピース矯正に関しても作成毎に設計を調整していくので同じことがいえます。
お子さんの矯正では何かしらの装置をオーダーメイドで作成させていただくことが多いです。
当院ではワンオフで装置を用意した方がより治療効果が期待できることが多いと考えており、装置を一人ひとりに合わせて作成させていただくことを基本としています。
ただ、昨今では既製品のマウスピースなども優秀なので、十分な効果が見込める場合は活用することもあります。重要なのは、必ずそれぞれにしっかりメリット・デメリットがあるので、そこをよく理解したうえで最適なものを用いていくことではないかと個人的には考えています。