一人ひとりに合わせた治療
治療前の分析と診断
当院では、治療前の分析と、それに基づく診断を重視しています。なぜなら、患者さん個々の状態や条件によって、またそういった状態や条件をどう評価するかによって「いかなる治療方法を用意できるか、適応させられるか」が大きく違ってくるからです。
検査データや成長に関するデータなど、個人の条件を重視することで、一人ひとりに合わせた科学的な分析と診断が行えます。
例えば、お子さんの矯正治療では、成長期を有効に利用するために、一人ひとりの歯や顎の特徴を測定し、かつ身長変化データなどを併せて、今後の変化・成長具合をしっかり把握することが重要です。そこで当院では、従来の分析法のほか、パーセンタイル法などに基づく複数の分析を利用して、成長をより詳しく捉えるようにしています。こうした精密性によって、成長を利用した歯を抜かない治療の見通しが立ってくるのです。
●パーセンタイル法
対象とする計測値の分布(数値群)を小さい順に並べ、パーセントで位置付けを見る方法
一人ひとりに合わせて装置は手作り
現在、矯正治療において最も高性能かつポピュラーな方法であるエッジワイズ法はスタンダードエッジワイズ法とストレートエッジワイズ法に分けられます。
ストレートエッジワイズ法は、各歯の傾き方などを平均値としてあらかじめブラケットに組み込み、U字型のワイヤー(調節のないワイヤー)を入れると、平均値の位置関係に自然と歯が並ぶシステムです。例えるなら「平均的な体型の人を想定して作成・販売されている既製服」のようなイメージです。しかし、歯の形や大きさ、歯の位置関係は人それぞれですから、平均値が必ずしも個々の口腔内の状況に適しているとはいえません。
一方、スタンダードエッジワイズ法は、ワイヤーを通すブラケットの溝が歯と平行で、歯面との距離が一定です。そのブラケットにワイヤーを通しながら、各歯が自然な位置関係で並ぶように、実際の状況に合わせてワイヤーを曲げ、細かく調節していきます。
つまり、ストレートエッジワイズ法が既製服なら、スタンダードエッジワイズ法は、個々の体の寸法を測ってていねいに仕立てるオーダーメイドといえます。
当院では、スタンダードエッジワイズ法を用いて、一人ひとりの患者さんに合わせた矯正装置を手作りしています。歯1本1本の形、傾きに合わせてワイヤーの角度を微妙に調整することで、より効率的で効果的な治療を行います。